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  • 月曜断食
  • 2021.09.28

イスラム教で1年に1か月の間行われる断食「ラマダン」とは?そのルールや効果について解説

「イスラムの断食と日本の断食って何が違うの?」


日本では体の健康を維持するために行られる断食ですが、イスラム教では少し違う目的のために断食が行われます。


そこで、今回はイスラム教の断食「ラマダン」について詳しく解説します。


日本の断食だけではなく、イスラム教の断食についても正しい知識を得たい方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも「ラマダン」とは何か?

そもそもイスラム教の断食「ラマダン」とはどのようなものなのでしょうか。


ラマダンとは、イスラム教徒にとって年に一度の断食を指します。


ラマダンは断食だけではなく、私利私欲を抑え周りの人への感謝を伝えたり、貧しい人への施しをしたり、神へ献身する目的のための行動もします。


次の章から、さらに詳しく解説していきます。


【ラマダンとは】
  • ラマダンとはイスラム教の断食月のこと
  • イスラム教徒以外の人でも参加が可能

ラマダンとはイスラム教の断食月のこと

ラマダンとはイスラム教の断食月です。


期間は1ヶ月間、日が出ている時間帯は食事・水分補給が禁止、そして日没から日の出までに1日分の食事・水分補給を摂る決まりとなっています。


ただし、水分補給に関しては最低限ならOKとされています。


ラマダン明けには日本の正月と似た雰囲気のお祭りが行われます。


お祭りではラマダンによって得た食事への感謝の気持ちを、家族や友人たちと再認識するのです。

 

イスラム教徒以外の人でも参加が可能

ラマダンはイスラム教の断食月ですが、イスラム教徒以外でも参加可能です。


家族や友人との関わりで参加することがあるかもしれないので、この記事を参考に正しい知識を身に付けておきましょう。


そして、参加する際は連帯感や達成感をより味わうために、毎晩食事会に参加するのがおすすめです。

 

イスラム教の断食月はいつ頃やってくるのか

イスラム教の断食月「ラマダン」は、いつ頃行われるのでしょうか。


ラマダンと関係の深い歴に沿って解説していきます。


【ラマダンが行われる日】
  • イスラム教の断食月はヒジュラ暦に沿って行われる
  • ヒジュラ暦は太陽暦よりも11日短い
それぞれ順番に見ていきましょう。

 

イスラム教の断食月はヒジュラ暦に沿って行われる

ラマダンはヒジュラ歴(太陰暦)と呼ばれる、1年を354日とした歴に沿って行われます。


ヒジュラ歴は33年間で季節が一巡するため、イスラム教徒は2度同じ季節のラマダンを経験すると言われています。


ただし、ラマダンは新月によって行われる期間が決まるため、天気などの影響によっては日を改める場合もあるのです。

 

ヒジュラ暦は太陽暦よりも11日短い

ラマダンが基にしている歴・ヒジュラ歴(太陰暦)は、私達日本人が普段使用している太陽暦とは1年で11日もズレています。


毎年11日ずつズレていくため、ラマダンが行われる時期は太陽暦でみると毎年変わってくるので注意しましょう。

 

イスラム教の断食"ラマダン"の基本的な5つのルールとは?

この章では、イスラム教の断食月・ラマダンの基本的なルールを紹介します。


ラマダンのルールは以下の5つです。


【ラマダンの5つのルール】
  1. 1:日が出ている間は固形物の摂取を控える
  2. 2:日没から日の出までの時間帯は何を食べてもOK
  3. 3:日没の時間帯は不適切な言動や喫煙・飲酒・性行為は禁止
  4. 4:女性の服装はできるだけ質素で露出が少ない服が好ましい
  5. 5:貧しい者たちへの寄付をすることが良いこととされている
日本で主流となっている断食とはルールが大きく異なるので、ラマダンに興味がある方はしっかりと確認しておきましょう。

 

1:日が出ている間は固形物の摂取を控える

ラマダンは、基本的に日が出ている時間帯は食事・水分補給を行わないルールです。


中東など、地域によってはラマダンに合わせて社会が勤務時間や営業時間を変える場合もあります。


一方で、日本の場合、自分で決めたルール内なら食事や水分を摂取しても問題ありません。

 

2:日没から日の出までの時間帯は何を食べてもOK

ラマダンは日が出ている時間帯は過酷な食事制限がありますが、日没語から日の出までは食事・水分補給が自由となるルールがあります。


ラマダンは極端な食事制限のルールを設けることで、食への感謝をより感じられるのです。

 

3:日没の時間帯は不適切な言動や喫煙・飲酒・性行為は禁止

ラマダンは日没後から日の出までは食事を自由に摂れますが、喫煙や飲酒など、不敬な行為は禁止されています。


ラマダンで禁止されている行為は以下の通りです。


【ラマダンで禁止されている行為】
  • 喫煙
  • 飲酒
  • ケンカ
  • 悪口
  • 性行為

4:女性の服装はできるだけ質素で露出が少ない服が好ましい

国や地域によって異なりますが、イスラム圏では女性の露出を好ましくないと考える文化があります。


そして、ラマダンは神への献身を示す行為なので、肌の露出はなるべく控えるのが良いと考えられています。


そのため、伝統衣装のヒジャブなど、ラマダンに参加する場合は肌を隠せる衣装を着るように心掛けましょう。


ただし、トルコなど、世俗的なイスラム圏では比較的服装は自由である傾向があります。


ラマダンに参加する際の国や地域でのルールを、その都度確認するのがおすすめです。

 

5:貧しい者たちへの寄付をすることが良いこととされている

ラマダンは健康目的の断食と異なり、私利私欲を抑え、神へ献身するのが目的とされています。


献身の1つとして、イスラム教徒は貧しい者たちへの寄付が挙げられます。


ラマダンによる貧しい者たちへの寄付は「喜捨(ザカート)」と呼ばれ、財産の2.5%程度を寄付するというもの。


ザカートは基本的にラマダンの参加者が行うものですが、ラマダンには参加しないがザカートだけは行う人も多くいます。


イスラム共同体としての助け合い、仲間意識の育みに繋がっていくのです。

 

イスラム教徒が断食を免除される場合はあるのか?

イスラム教の断食月・ラマダンですが、信仰心が厚いイスラム教徒だからといって、絶対に参加する必要はありません。


以下の条件に当てはまる場合は、イスラム教徒でもラマダンへの参加が免除されます。


【イスラム教徒でもラマダンへの参加が免除される条件】
  • 6歳未満の小さい子供
  • 旅行者や病気に罹っている人
  • 妊娠中の女性
  • 高齢者
ただし、上記の条件に当てはまらないイスラム教徒でも、あまり積極的にラマダンに参加しない人もいます。


国や地域、人によってラマダンへの参加意欲が異なるので、注意しましょう。

 

免除される条件1:6歳未満の小さい子供

年齢による明確な線引きはありませんが、多くの場合ラマダンに参加するのは10歳頃からです。


早くても7歳頃からラマダンに参加します。


なぜなら、6歳以下の小さい子どもがラマダンに参加してしまうと、成長に支障が出る可能性が高いと考えられているためです。


6歳以下の子どもがラマダンに興味がある場合、断食は行わず、ラマダンの雰囲気だけを楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

免除される条件2:旅行者や病気に罹っている人

信仰心の厚いイスラム教徒にとって、ラマダンは義務と考えられがちです。


しかし、長期に渡る断食と内容から、旅行中は参加しなくても問題ないとされています。


旅行中だけではなく、病気を患っている人も同様にラマダンへの参加が免除されます。


イスラム教の聖典「コーラン」に詳細が記載されているので、気になる方はぜひ閲覧してみてください。

 

免除される条件3:妊娠中の女性

妊娠中の女性は、胎児の成長、母体の健康のために栄養が必要です。


そのため、長期的な断食が行われるラマダンへの参加は免除されます。

 

免除される条件4:高齢者

高齢者は免疫機能が低下している場合が多いです。


免疫機能が低下している状態で栄養不足になると、病気に患われる可能性が高いです。


そのため、高齢者はラマダンへの参加が免除されます。


ただし、健康状態が良く本人が参加の意思を示す場合は、ラマダンへの参加が可能です。

 

イスラム教徒の断食「ラマダン」を行うことによる効果

日本の断食は体の健康に関する効果を得るために行いますが、イスラム教の断食月・ラマダンは以下の効果を得るために行われます。


【ラマダンを行うことによる効果】
  • 断食をすることで身を清める効果がある
  • 周りの人に感謝できる
  • イスラム教徒同士で一体感が得られる
それぞれ順番に解説していきます。

 

断食をすることで身を清める効果がある

ラマダンの断食によって、空腹を我慢して生きる辛さを確認したり、平等への共感を育めたりします。


つまり、精神的・宗教的な意味で、身を清められるのです。


また、日本の断食同様、健康面的な意味で体のデトックス効果も得られます。

 

周りの人に感謝できる

ラマダンによって、日中は食事を食べられない時間を設けることで、貧しい人の気持ちが理解・確認できます。


そして、富める者も貧しい人も同じイスラム教徒であると自覚し、仲間意識を深められるのです。


また、普段食事が食べられることへの感謝をする機会ともなるのです。

 

イスラム教徒同士で一体感が得られる

ラマダンの期間中は人に会う頻度が増えたり、日没後は多くの人と食事を楽しんだりするため、イスラム教徒同士で家族のような一体感が得られる傾向があります。


文化と宗教が一体となり、地域のコミュニティの結束を再確認できるのです。

 

まとめ:イスラム教の断食を理解して、イスラム文化への理解を深めよう!

今回は、イスラム教の断食月「ラマダン」について詳しく解説しました。


日本の断食は身体の健康を維持・向上するために行います。


一方で、イスラム教の断食月「ラマダン」は、食事・人への感謝やイスラム教徒同士の結束を理解・確認するために行われます。


イスラム教へ興味があり、多くの人と深い関わりを得たいと考える方は、ぜひラマダンに参加してみてはいかがでしょうか。


ただし、ラマダンは1ヶ月近く行われるので、体質や体調を考慮して無理しないようにしましょう。

 
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